学生のインターンシップ事例

-----

2010年11月9日 東邦大学 理学部物理学科 土屋奨護さん

 tsuchiyasan.JPGのサムネール画像tsuchiyasan.JPGのサムネール画像築地で働く人たちの“粋”な行動に感動。
人を育てる土壌で自分の将来が見えてきた。

 

東邦大学理学部物理学科3年
土屋 奨護さん

【実習先】大都魚類株式会社(東京都)
実習期間:2010年8月23日~8月28日(6日間)

写真: 土屋さん

 


   大都魚類とは、どのような会社ですか。

土屋:東京都中央卸売市場(築地市場・足立市場・大田市場)と成田市公設市場(千葉県)において水産物全般の卸売を行っている会社です。国内生産のものはもちろんのこと、海外からの輸入水産物も取り扱っており、関東その他地域にて販売しています。
私はもともと水産業界の仕事に興味を持っていました。キャンパスウェブで大都魚類様のインターンシップ募集情報を見つけ、ぜひこの機会に「築地市場」を内側から見てみたいと思い、応募させて頂きました。

実習時間は午前2時半からお昼まで。 

 実習内容について教えてください。

土屋:8月23日~8月28日までの6日間の実習で、内容は以下のとおりです。 

 

  ①8月23日~24日 午前10:00から午後12:00頃まで
    内 容 : 築地市場場内・場外の見学
    流通商品についての説明、セリ場の見学等

  ②8月25日~28日 午前2時30分~午後12:00頃まで
    内 容 : 相対売り見学  
    魚や荷物の積みおろしや運搬作業など
    ※相対売り・・・売り手と買い手の合意で値段を決め品物を売ること


築地で働く人たちの“粋”な行動に感動。とにかく皆さん、カッコいい!

――築地市場はどんなところでしたか。

土屋:イメージ通り、活気のある場所でした。また、魚だけでなく青果や調味料、加工品など、様々な商品を扱っていたのが意外でした。
実習時間は夜中の2時半からお昼まで。最初のうちは朝の7時くらいに睡魔が襲ってきましたが、体を動かす仕事をしていたためかすぐに慣れ、眠気を感じる暇もなくなりました。

セリの見学はいかがでしたか。

土屋:「セリ人」が本当にカッコよかったです。セリ人とは、セリ台に立って、商品(魚)の価格を仲卸さん(買い手)に競わせる、売買取引の仕切り人をいいます。仲卸さんが指で金額を示すと、セリ人はセリ台からそれらを瞬時に読み取らなくてはいけないのですが、とにかく視野が広い。仲卸さんが後ろ向きのまま出した指の合図も見逃さないんです。視界が200度位と聞いて、驚きました。
また、セリ人の言葉に「無駄なセリはさせない」というのがあります。どういうことかというと、セリというのは売り手と買い手の信頼関係が非常に大切なので、利益のためにむやみに価格を吊り上げることはしないそうです。たとえば、セリ人がもっと価格が上がりそうだと思っても、その魚が本当にほしいというオーラを出す業者がいたら、そこで切る、ということもあるそうです。

粋ですね。

土屋:「相手にも生活がある。お互いの利益が最大限となるよう、その“中間点”を取ることが一番大切なんだ。」と、相対売りとセリの方が、共通しておっしゃっていました。この話を聞いて、新しい価値観が芽生えたというか、勉強になりました。

セリに立っている間は、上司も部下も関係ない。

――他に感じたことは。

土屋:セリ人は、セリ台に立っている間は全て自分が仕切り、自分の判断で価格を決めることができます。セリ台の横に上司がいて「もうちょっと上げようよ」と言われることがあっても、セリ人の判断で値段を切るべきだと思ったら切ってしまう。「上司が何と言ってもここを仕切るのは自分だ」という感じでカッコいいんですよ。
そして上司の方も、それを気にしない。自分で決断することが成長につながるのだから、ということだそうです。上司の指示に従っているだけでは何の学びにもならないと。
築地の人たちは「人を育てることが一番大切」とおっしゃっていました。

急いだり慌ただしくしたりせず、素早く行動する

築地の人たちは、行動は速いんですが雑なところはひとつもないんです。動きに無駄がなくしかも丁寧。
荷物や魚を運ぶときに「ターレー」という乗り物を使うのですが、私が周りのペースに合わせようと少し焦って荷物を運んでいたら、ターレーのお兄さんに「俺たちは慣れているから積むのが早いだけで、兄貴(私のことです)は慣れているわけじゃないんだし、自分のペースで丁寧に仕事してくれればそれで良いんだよ。」と言われたんです。
「急いだり慌ただしくしたりせず、素早く行動する」という行動の見本を見せていただいたので、今はそれを思い出しながら実生活で訓練しています。

――このインターンシップは、土屋さんの将来のキャリアプランに影響を与えましたか。

土屋:はい。将来進みたい道がはっきりと見えました。今から全力を尽くしてその道へ進みたいと思います。
私は教職課程をとっているのですが、教員になる前に一度社会に出て経験を積むか、卒業後すぐに教職に就くか迷っていました。しかし今回のインターンシップで、人を育てるということはこういうことなんだという発見をたくさんしたので、卒業後は教員になり、これからの未来を担う子供達に「教える」のではなく、子供達を「育てる」先生になろう、と決めました。

インターンシップが成功となるか、失敗に終わるか、それは全て自分次第。

――これからインターンシップを行う後輩にむけてアドバイスをお願いします。

土屋:自分が学びたいことや知りたいことだけに固執するのではなく、目の前に広がる光景や世界をありのままに感じてきてください。絶対求めていた以上のものが得られるはずです!また、インターンシップでどんな経験をさせて頂いても、どんな事を学ばせてもらっても、それが将来に活かせる糧となるか否かを決めるのは、全てあなたの考え方次第です。

インターンシップは、学生のうちにしか体験できない本当に貴重なイベントの1つだと思っています。「就職活動の一環として」ではなく、「新しい世界と関わる絶好の機会」だと思って、積極的に参加して欲しいです!

Boys, be ambitious!



――どうもありがとうございました。